依頼内容:検察側から提出された事件の証拠映像が改ざんされている可能性があるので証明して欲しい。
解析結果:映像解析から、検察側が提出した証拠映像は改ざんされていないことが確定しました。
今回の依頼は、検察が裁判所に提出している証拠である犯行現場を記録した映像が改ざんされている可能性があるので、それを解析して証明してほしいとのご依頼になりますので、この時点で完全に刑事事件に係る案件になり、依頼者の方は検察側から起訴されている側の立場にあります。
よって、依頼者様のご希望は検察の主張を覆す鑑定書が欲しいとの依頼になりますので、最初からそれ前提での対応になります。
その為、これまでの裁判の経緯や裁判資料も併せてお預かりすることになり、単純な映像解析ではなくなりますので、ある程度時間と手間暇が掛かる案件になるのですが、それを怠ってしまって映像だけを解析しても、それに至るまでの経緯がはっきりしていないと、鑑定書がかけないことも多いのです。
お預かりした裁判資料を順番に確認していき、どのような経緯でその映像が記録されて証拠になったのか、どの部分が検察によって改ざんされているのか、検察の主張と弁護側の主張、それぞれと映像を比較してどの部分が間違っているのかを、映像に関わる部分全てを確認していくことになります。
そして、全ての書類の確認と映像の鑑定が終わり、その結果、この映像は提出してきた検察側によって改ざんされている映像ではなく、検察側の主張通りの映像であり、改ざんしていると間違った主張をしているのは依頼者様の弁護士であることが確定し、それを依頼者様に伝えることになりました。
その話を聞いた依頼者様は大変驚き、これまで弁護士から聞かされていた話とは全然異なる事実であった為、この事案は民事ではなく刑事事件であることから、この裁判の判決結果は大変重いものであり、間違った主張をしてきたことを知ってしまい、かなり感情的な状態になってしまいます。
鑑定というのは常に一つの事実のみを証明する業務になりますので、間違っていることは依頼者様の思惑とは異なる内容であっても、その事実のみを正確にお伝えしていくことになるため、今回のような状態になることも多々あるのですが、間違った主張を続けていても更に状態は悪化していくので事実が判明しただけでもよいことだと思っておいたほうがよいかもしれません。